最近、オンライン研修の設計をすることが多く、
お問合せの中で「どのくらいの時間でやるのが良いでしょうか。」とご質問頂くことがあります。
企業様のご判断により、色々な研修会社さんのご提案を見て、自社に合うものを最終的に決めたいということもあると思います。
先日、とある企業様でご提案書を提出した時、当社以外の企業様のご提案は、オンライン1日研修を1年間通して実施するプログラムであったのに対し、当社のご提案は、1回の研修時間がかなり短く、開催頻度も最低2週間は感覚を開けて開催するという設計でした。
「こんなに短くて、研修効果はでるのですか?」と質問を受けました。むしろその方が研修効果が高まると当社は考えています。
当社がオンライン研修の設計で気を付けている点について書いてみたいと思います。
元々、コロナ問題が発生する前は、当社も集合研修メインの企業でした。オンラインで行うことは、遠方の企業様の場合において、事前の打ち合わせをする程度。Zoomを使って研修を提供するのは、コロナ禍における新たな取り組みとして始めたものです。
集合研修(8時間/日)の受講者アンケートでは、
・あっという間に時間が過ぎた
・普段会えないメンバーと意見交換が出来たことが良かった
・休憩時間も積極的に講師に質問が出来てありがたかった
といった嬉しい声を頂くことが多かったわけですが、
オンライン研修(8時間/日)の場合、
・4時間×2回にしてほしい(集中力が持たない)
・すごく孤独で画面をじっと見ているのが辛い
・どのタイミングで質問して良いか分からない
このような声を頂くことが多くありました。
アンケートは、受講者の皆さんの本音を聴く良い機会であり、やはりオンライン研修の疲労感は、集合研修の2倍、3倍と考えて置く必要があると考えました。
補足ですが、個人のお客様へのコーチングは、90分~2時間/回で設定していますが、1対1で行うオンラインセッションの場合は、特に直接対面で合うのと疲労感はそんなに差はないようです。
やはり、1対1で話すという点においては、孤独感もなく、自由に発言もでき、「自分のための時間」というコーチングの大前提を考えると、大きなストレスや負担にはならないようでした。
オンライン研修実施後のアンケート(6カ月分)を集計したところ、
<オンライン研修の場合>
①1回につき、2時間~4時間以内の設計にすると、受講者側の負担軽減ができ、集中して講義を受けて貰い易い
②孤独感が減らせるよう、チャットを活用し、意見や質問を出しやすい環境を作る
③ブレイクアウトルームを使ったディスカッションも効果的だが、全員でチャットで会話をする方が研修自体の一体感や繋がりを意識したコミュニケーションがとりやすい
という結果になりました。
当社が設計するオンライン研修は、
1回につき3時間程度×月2回(または1回)の実施という設計しています。
1日でやってくださいという依頼を受けた場合は、8時間の研修を4時間の設計で圧縮し、フォローアップを後日2時間実施させて頂くようにお願いしています。
研修効果を高め、受講者の皆さんの疲労感や負担を軽減するための取り組みであり、結果的に研修を受けて良かった!と言ってもらえる仕組みを整えるためです。
オンライン研修は、手軽にできる、参加ハードルが低い、コストを抑えて実施出来るメリットもありますが、実際のところ参加者の負担を考えた設計にしなければ、オンライン研修自体の印象も悪くなり、受講者側のモチベーションの低下にもつながってしまいます。
これからオンライン研修を検討されている企業様は、是非参考にしてみてください。