あとどのくらいこの状況が続くか、全く終わりが見えてこないコロナの終息時期。人との接触を出来る限り避ける生活が続き、自宅で毎日始業と終業を迎える日々が、当たり前のようになってきました。
しかしながら、知らないうちに少しメンタルバランスを崩していたり、孤独だな・・・と落ち込みやすくなったり。世の中に、自分ひとり置いて行かれているんじゃないかと極度の不安を抱いたり。
軽い鬱状態にある方が増加傾向にあると言われています。
リモートで部下に関わるマネジメントも大変な中、リーダー自身が孤独を感じることも、不思議ではありません。
よく考えれば、現在、社会全体がそんな孤独と闘っている集合体。
しかし、毎日同じ環境で、生活と仕事が繰り返される環境で、視野が狭くなり、何となく自分だけが孤独のように思えてきます。
世界全体がコロナの終息を1日も早く願っているわけですが、心が安定した状態でこのリモートワーク、在宅勤務を続けるための方法についてお伝えします。
どんな環境下でも前向きでいられる人には、考え方の特徴があります。
特徴1:有意味感・・・急な環境変化や辛い事、面白くない事があっても、そこから何かしらの意味を見出せる感覚のこと。
この状況には何か大きな意味があるのかもしれない、
この環境下で、大きな学びや経験を積めるはず。
ここで経験することは、将来的に役に立つと思う。
このように、状況に前向きな意味付けをして物事に取り組む人はストレスに強いと言えます。
最近は、若手に指示を出すと、「それに何の意味があるんですか?」と、どストレートに突っ込まれることがありますが、有意味感を持つ思考とは真逆で、常に意味を見出すことが難しいタイプが増えています。
有意味感を育てるためには、
・役に立った!と思ってもらえる経験を積ませること
・大小問わず、行動をしっかりと褒めて、フィードバックを出す
この繰り返しで、自分の行動には常に大きな意味があるという思考を定着させるようにしましょう。
もちろん、リーダー自身も、この仕事に何の意味があるんだ!と心の中で常につぶやいてしまう方、ご自身の有意味感を育てるために、自分自身の振り返りを毎日行い、3行日記を付けることをお勧めします。
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<本日の自分を褒めたい行動3つ>
1.いつもより30分早く起きて、ウォーキングに出かけた
2.最近お酒の量が増えていたので、昨晩は禁酒した
3.やりたくないと思っていた仕事を1時間集中して片づけた
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このように、自分が行った「行動」に焦点を当て、
「自分、中々やるじゃん!」と思えたことを寝る前に3つリストアップする。というやり方です。これを毎日繰り返し、1ヵ月は継続してみましょう。心の変化が期待できます。
特徴2:全体把握感・・・身のまわりで起こる全ての事を「想定内」に収めることが出来る感覚を持っていること。
私のコンサルタントの先輩に、口癖のように「大丈夫!想定内。」と言える最強メンタルの持ち主がいます。その先輩は、常に物事の全体把握をし、その先の事をいつも想定し、よい事も悪いことも予め予測をしているため、もし、悪い事が実際に起こった時の対処法を考えて今現在の行動を決めている。という人です。
これから先を想定することが出来る思考があれば、今目の前で起こっていることに動じなくなります。この全体把握感を持っていないと、今目の前で起こっているマイナスな出来事、例えば現在のコロナ問題などに遭遇した時、「これが一生続くんじゃないか。もしそうなったら、もう誰とも会えなくなる。自分は孤独だ・・・」と強く思い込んでしまい、外に出るのも怖い、常にコロナが付きまとう。と恐怖におびえてしまうようになってしまい、閉鎖的な自分から脱出できなくなります。
全体把握感を育てるためには、
・今現在から未来を想像した時に、どんな出来事に遭遇しそうか、想像してみる。立ち止まって考える思考を身につけること。その上で、自分の知識や経験では解決できそうにない問題は、調べたり、誰かに訊いたりしながら、問題解決思考を磨くこと。
・どれだけ想像しても、今回のコロナのように誰にも想像できない未知の領域の出来事に遭遇することもあります。そんなときは、ある意味、とにかくやってみるしかない。と割り切って行動を起こしてみることも大切です。その経験が積みあがることが、想定の範囲内の視点を育てることにも繋がります。
特徴3:経験的処理感:これまでの経験から、「ここまでは出来るけど、これ以上は難しい」と自分の中で出来る事・できない事を線引きする感覚。
責任感の強い人が、一番苦手とし、仕事を抱え込んでいっぱいいっぱいになって責任を果たせないストレスで鬱を発症することがよくあります。この経験的処理感が発揮できない時に注意が必要です。
誰かにSOSを出すこと、これ以上は一人では難しいと思うことは恥ずかしいことではありません。小さなお願いを周りに依頼してみることから、人を頼ることに慣れていきましょう。
自分はスーパーマンではないことを受け入れ、自分の周りにはたくさん協力者がいることを認識する経験を積み上げることが大切です。
その1:情緒的発散
ヨガをしたり、歌を歌ったり、瞑想したり、身体を動かす事によって、ストレス発散をするやり方です。この手法もコロナ禍では、手法に制限があるかもしれませんが、自分なりの発散方法を色々試しながら見つけていきましょう。
私の場合は、自宅で映画を観て仕事や生活以外のものに没頭する時間を持ち、完全に映画に感情移入をしてみることにより、涙を流す、大笑いをするといった発散法や、アロマオイルを入れたお風呂にゆっくり浸かってリラックスするなどの方法を取っています。
その2:リフレーミングの思考を身につける
リフレーミングとは、ある状況を180度別の角度から見てみる思考のことです。言葉のリフレーミング・状況のリフレーミングという2つのパターンがあります。
言葉のリフレ―ミング例:
「優柔不断」→「協調性がある」
「短気」→「行動力がある」
と言ったように、言葉をプラス方向に受け止め直すこと。
状況のリフレーミング例:
「あの上司なんでこんなに自分に風当たりが強いんだろう」
→「あの上司、私に期待しているからこそ厳し態度なんだな。」
こんな風に状況を自分が前に進むための原動力にすること。
リフレーミングは、いつも頭の中でこれを別の角度から見直すとどうなるか?と想像すると思考に定着してきます。
私は常に、プロコーチという仕事を通して、リフレーミング思考を活かしてコーチングセッションを提供しています。
クライアントさんからは、元気になる!勇気が湧いてくる!前向きになる!強い気持ちが芽生える!と言われます。
リーダーさんも部下に対してリフレーミングを使えるようになると、物理的距離が離れていても、励ましたり勇気づけたりすることが出来るようになります。是非活用してみてください。