リモートワークが定着している企業様の新たな課題は、リモートハラスメント(オンラインハラスメント)が多発していること。これをどう解決していこうかという点です。
非対面の状況で、いきなり上司が業務のことについて話すはどうかと気を遣って、「アイスブレイク」のつもりで、始めたコミュニケーションが、パワハラ・セクハラと誤解を受けることがあります。
2020年6月から、パワハラ防止法という法律も制定され、2022年4月からは中小企業様にもこの法律が適用されます。
大手企業の場合、最低でも毎年1回(多い企業様だと2回)は、コンプライアンス研修を実施し、法令順守の内容について再確認する教育プログラムを設けています。
パワハラ防止法では、是正勧告に従わなかった場合、会社名が公表されることにもなっており、コンプライアンスの徹底がより強化されています。
実際に、上司と部下の世代間ギャップも広がりつつあり、コミュニケーションの受け手と話し手では認識に大きなGAPがあることも分かってきました。ある調査では、20代の若手は、50代の上司とのオンライン上のコミュニケーションについて、出社していた時よりも、ストレスを感じるようになった。という認識を持っている方が、50%近いというデータがあります。(画像参照)
ハラスメントと言われないために、上司が気を付けるべきコミュニケーションの視点について書きます。
【上司にオンライン上のコミュニケーションでをつけて欲しいこと】
・28歳:オンラインの用語などを説明しなければいけないので勉強していてほしい。
・24歳:文面が冷く感じる。
・26歳:遠隔での説教は勘弁してほしい。
・29歳:通信環境悪くてもイライラしないで欲しい。
・25歳:オンライン飲み会の必要性。お酒は特別好きというわけではないから。わざわざ買いに行くのも面倒。
・23歳:文面からでは、口調などが伝わらないので、優しい言葉掛けをしてほしい。
・31歳:オンライン会議のときにあまり後ろの部屋を眺め回さないでほしい。
・36歳:オンラインだとさぼっているのでは、と思われる表現があるので、言葉には注意いただきたい。
・32歳:ネットの知識を得ておいてほしい。
・46歳:映像を強要しないでほしい。
・49歳:勤務時間内かどうかは意識して連絡してほしい。
・53歳:メールで済むような簡単な内容でわざわざ電話してこなくてもよい。
・64歳:オンライン飲み会の強要。
上司は、出社していた時と全く変わらずコミュニケーションをとっているつもりでも、
部下は唐突に言にれた、強く強要されたと受け取ってしまうケースがあります。
それをなくしていくための方法としておすすめなのが以下の3つです。
①クッション言葉を使う
②お願い(リクエスト)のコミュニケーションを多用する
③指示命令の場合はその理由や依頼の目的を伝える
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例えばこんな感じです。
→(NGパターン)急ぎでプレゼン資料作成をお願いします。
(リクエスト法を使うとこうなります)
「今週は、〇〇さんがたくさんタスクを抱えていることは承知なんだけど、どうしても急ぎでプレゼン資料を作ってもらいたいと思っている。お願い出来る?」
→(NGパターン)次週の木曜9時からオンライン会議を行います。時間になったら、全員ログインして会議ルームに入るように。
(指示の背景を説明するとこうなります)
「木曜日、9時から全員でオンライン会議をするので集まってください。会議の目的は、来期に向けての事業部の方針固めです。」
どうですか?
伝わってくるものが全く違いますね♪
これから益々、私たちの日常は、接客や現地での操作が必要な場合を除き、非対面コミュニケーションの定着を求められます。
そもそも部下との信頼関係があれば、部下も「今の発言は傷つきます。」や、「唐突な指示でちょっと驚いているのですが、指示を頂いた背景を教えてもらえますか?」と言ったように、部下から歩み寄るコミュニケーションが出来ることも多いです。
しかし、人を寄せ付けない、威圧的、機嫌の浮き沈みが激しいなど、日頃から部下がリーダーのことを感じていたとしたら、ちょっとしたことがハラスメントと言われることも少なくないわけです。
アイスブレイクのつもりが誤解されてしまった場合や、強く言うつもりはなかったが、感情的になってしまい、相手を傷つけてしまったといった場合は、まずは謝罪。それから話し合い。長期間放置しない事もとても大切です。
自分のコミュニケーションスタイルに問題が無いか、たまに部下からフィードバックを受け取り、気づきを得るなどの方法もあります。
ハラスメント傾向であると言われたことがある方、自覚がある方、
リクエスト法を使って部下との信頼関係構築を目指していきましょう。