あなたは、部下の叱り方に自信がありますか?
成長を促す叱り方のポイントは抑えていますか?
リーダーは叱ったつもりでも、後日ハラスメントを受けたと言われた経験はありませんか?
ハラスメントと言われないために、叱る時には特に注意しておきたいポイントがあります。
近年、ハラスメントと言われるのが怖くて、益々部下とのコミュニケーション量が減った、誤解を招く可能性があるので必要以上のことは話さないといった、職場のコミュニケーションレスが問題になっています。
今日は、リーダー自身も成長するために、部下を育成する力の内、最も難易度が高い、叱り方について解説します。
部下を叱る時、以下のような言葉を発したことはありませんか?
・もう限界。きみは、何度言っても直らない。こっちの気がおかしくなりそう。
・きみは、話にならない程、ミスばかりしている。本気で仕事に取り組んでいるようには見えない。
・もうきみは、私の手には負えない。お手上げ状態だ。
・長年この仕事をしているが、きみのような人間にはあったことがない。
・きみは、期待に応えようと真面目に取り組んでいるようには全く見えない。
ーーーこれらの発言には、上司の諦めの気持ちと共に、部下を「ダメ人間」だと伝えているように聞こえる、人格否定されたと受け取られるニュアンスを含んでいます。
このような発言を何回も言われ続けることで、部下は「自分には能力がない。人としてもダメ人間だ」と思い込んでしまう可能性があり、ハラスメントを受けたと言われる可能性があります。
きっと、このような発言をしているリーダー自身の心も、非常にイライラした状態で発していることと思います。
管理職である限り、部下を育成すること、成長を促すことも仕事です。自分から諦めず、成長させるには何が必要かを一緒に考えられるリーダーであってほしいと思います。
「理想の上司の行動に関する調査」という調査結果によると、
1位……「頑張りを見て評価してくれる」(66.1%)
2位……「意見を聞いてくれる」(65.1%)
3位……「ビジョンや方向を示してくれる」(60.3%)
といった結果が出ています。
この結果にある通り、まずはポジティブフィードバックを心がけましょう。否定のメッセージは部下がすぐに耳をふさいでしまい、本来届けるべきリーダーのメッセージが上手く届かない可能性があります。
叱る時には、
1.部下と個別に会う(大勢のまえで叱責しない)
2.許容されない行動・仕事ぶり・態度に話題を絞る
3.人格否定をせず、リーダー自身もイライラしない状態で接する
という3原則をまずは覚えておきましょう。
例えば、
NGパターン:きみは、話にならない程、ミスばかりしている。
本気で仕事に取り組んでいるようには見えない。
OKパターン:ちょっとミスが目立っているように見える。
改善方法について、きみ自身がどんな対策を取ろうとしているか聴かせてほしい。
といったように、部下自身に考える視点を持たせる表現方法を意識しましょう。この例のNGパターンの後半、「本気で仕事にとりくんでいるようには見えない。」という表現は、リーダー自身のイライラ感情をぶつけただけの表現です。叱る時は、冷静に、客観的に状況を捉えて言葉を発しなければ、個人攻撃になりやすくなります。
部下は、褒めることも、一緒に話し合って考えることも、求めています。褒めるだけの上司だと、「指摘されないのも怖い」と部下は思っています。
私のお勧めは、新人の場合、褒める4に対して叱る1の割合。
中堅社員の場合、褒める3に対して、叱る1の割合。
リーダー自身も叱るのは非常に勇気がいることです。
伝え方を間違えると信頼関係崩壊の危機が、、、と考えるでしょう。
一番大切なのは、部下に対する「愛情」を持ち続けることです。