最近、攻撃的なコミュニケーションをしていることに、全く自覚のない経営者に出会いました。同じ経営者として大問題だと思いましたが、私に対しても自覚のない攻撃的コミュニケーションが続くので、気づきを促すフィードバックもできないままでした。
ただ、私も一人の人間として、ずっとこのような攻撃的なコミュニケーションに付き合っていると、イライラしてきました・・・
さすがに一度だけ「そんなに畳み込むようなコミュニケーションをとられたら、相手は何も言えなくなります。」とだけ言いました。
気づきを促す事にはつながりませんでしたが、そんなつもりはないという反応を示されました。
会社のトップ、経営層、チームをマネジメントするマネージャーとなると、周りから教えてもらうことよりも、知識や経験を還元していくことが大きな役割となってくるため、コミュニケーションの質について指摘されることも少なく、自分では気づかないうちに、周りの大切な仲間や部下を傷つけているかもしれません。
ある日突然、パワハラを受けましたと言われる危険もあります。
私は、コーチングのプロとして企業の皆様と関わることが多いのですが、企業の管理職の皆様へ是非伝えたいことがあります。
「コーチングでなくでも良いので、皆さん一度は、コミュニケーションをしっかり学ぶことをお勧めしたい。」ということです。
理由は、良好な人間関係の構築と、信頼される人間になるため、またポジティブな影響力を周りに与える存在になるためです。
私は、「ポジティブな影響力を与えられる存在」これこそが、真のリーダーに必要なリーダーシップだと考えています。
今一度、ご自身の日頃のコミュニケーションの質について振り返ってみてください。
いくつかのチェックポイントをお伝えしたいと思います。
【話を聴いていない人の特徴】
その1:アイコンタクトをしない
アイコンタクトは信頼の証です。
しっかりと目を見て、目で相手の反応を見ることも「聴く」スキルの1つです。
その2:先読みの癖がある
相手の話の最終地点を勝手に想像しながら話を聴いている方、それは話を聴いていることにはなりません。
「聴く」とは、相手に興味関心を持ち続け、相手の話に完全に集中することが求められます。あなたが勝手に会話の着地点を決めて話を聴く事は、話を聴いていないのと同じです。
この聴き方が続くと、あなたの部下は、あなたに報連相をしなくなります。最近、部下があなたとの対話よりメール、電話よりチャットを多く使うようになっていたら、ちょっと危険信号が灯っている可能性が・・・
あなたの聴き方を振り返ってみましょう。
その3:共感しているフリになっている
「そのアイディアいいと思うよ。でも・・・」
「いや、それはそれで間違いないよ。だけど・・・」
「いいんじゃない?しかし・・・」
このように部下の話に同意したように見えて、実は自分の言いたいことをガーっと押し付ける癖、ありませんか?
実はこのコミュニケーションがパワハラ上司に多いパターンです。
このようなコミュニケーションが続くと、本来あなたがよかれと思ってアドバイスをしたつもりが、部下は、3倍返しになって文句を言われると感じ、あなたとの対話を求めなくなってしまいます。
部下の話を聴くと決めたら、
8:2の割合で、部下が8割話し手になれるように意識しましょう。
このようなバランスが意識できると、自分の言いたいことより、相手が話したいことの集中できている状態になっているはずです。
まずは、リアクションをしっかりと。
「非言語コミュニケーション」を意識する。
→あいずち、うなづき、笑顔、身振り手振り
そして、接続詞の活用を!
「それで?」「それから?」「その先は?」
→相手がどんどん話したくなるように接続詞を使って言葉をたくさん引き出していきます。
まず、この2つを意識し、実践することによって、
あなたの先読みグセや、共感したつもりのコミュニケーションが修正されていき、相手の話に集中することが出来るようになっていきます。ここが聴く力向上のはじめの一歩です。
コミュニケーションを学ぶのに、年齢制限はありません。
いつからでも学ぶことができ、今からでも間に合います。
上司としてのプレゼンスを高めるために、是非やってみて下さい。