4月は新しいことがスタートし、環境が大きく変化する方も多いと思います。新しい職場、社会人スタートの中、まずは新入社員研修から始まるという企業も多いと思います。
私も、4月はほぼ新入社員研修の連続登壇というスーパー繁忙期を迎えていますが、ある企業様からこんなご相談を受けました。
「新入社員研修の内容って、本当に新入社員だけを対象にすべきか、わが社では、この新入社員研修の内容は、年に1度は社員全員に受けさせた方が良いのではないかと考えていますが、どう思われますか?」
私自身、お恥ずかしい話、そんな目線で新入社員研修を捉えたことはなかったのですが、確かに的を得ていると思いました。
このご相談には腑に落ちることがたくさんあったので、新入社員研修の受講対象者はどこまでを設定するのが妥当か?について書いてみようと思います。
通常、当社が依頼を受ける新入社員研修は2日間構成にしています。
1日目:ビジネスマインドを作る
会社の理念・ビジョンの理解、仕事の本質に理解を深め自分のキャリアについて描く、ビジネスマナーの基本
2日目:組織で働く「協働意識」を高める
上司との関係性構築「報告連絡相談」、企業イメージが左右される知っておきたい様々な所作、言葉遣い(敬語・尊敬語・丁寧語)、思考の柔軟性を鍛える(概念化)
このような内容です。
いざこうやって列挙してみると、管理職になっても報連相のタイミングに指摘を受ける方、ビジネスマナーではNGとされている名刺交換をしている方、コートを脱ぐタイミングを間違えている方、言葉遣いが無意識の二重敬語になってしまっている方など、実は社会人経験を重ねるうちに指摘されにくくなっており、自分で気づくタイミングを待つしかない!という方もいらっしゃいます。
これを放置してしまうと、若手から「情けない」と思われるかもしれない。。。ですね・・・
先日、社会人経験6年目のリーダーに、抜き打ちで敬語テストを行いました。2割しか書けなかったと落ち込んでいました。
所作クイズを出してみたら、「え?知らなかった・・・」と言っていました。
このような背景から、コンプライアンス研修を年に1度行うのと同じように、新入社員研修の内容は、年に1度行うくらいのレベル感が必要なのでは?と私も考えるようになりました。企業のブランドイメージを高めるためにも、お客様へ誠意の伝わる仕事をするためにも、新入社員研修の内容は、年1回でも全員に確認の意味で学んでいただく環境を整えることは、非常に有効なアプロ―チだと思います。
私の考えでは、
パターン1)ベテラン社員と新入社員がペアになって受講する
パターン2)1~3年目までは必須とする
パターン3)オブザーバーと言う形で上司のプライドを傷つけないように配慮しながらの参加を許容し、全員の受講環境を整える
こんな3つのパターンがあるように思います。
ちなみに、ご相談頂いた企業様へは、パターン3)のアイディアを採用していただき、全員受講を必須とすることになりました。
しかし、「新入社員研修」と言うタイトルは、参加者にとっての違和感とならないように、
「コーポレートブランディング研修」と名称を変更しました。
従業員人数が増えてくると、社長の話を聴ける機会も減るため、全員で会社の今と未来を繋ぐために必要な研修と位置付けることで、企業全体の一体感を醸成する結果にもつなげることが出来ると考えます。
当たり前にできているはずのこと、もう一度基本を確認する機会を持つことで、我流を無くすことも、内部統制を整える一つの手法として必要だと思います。こういった取り組みを大切にする企業様は、やはり著しい成長曲線をたどっていらっしゃいます。
何となく、全体的なビジネスマナーが気になる、お客様満足度が下がっているといった課題をお感じでしたら、新入社員研修をもう一度みんなで受ける!といった取り組みは大変オススメです。