組織開発コンサルティング契約のある会社で、大変優秀な方が入社されました。エグゼクティブ層の接客業経験が長く、対応力がずば抜けて高いだけでなく、仕事を通して成長したい気持ちが高く、向上心の塊のように見えます。
企業にとってみると、突然現れた能力の高いスタッフに戸惑いも見えました。上司の方と話していると、「どこまで期待してよいかわからなくなる時がある。」とお悩みを抱えておられます。
さらに、「痒い所に手が届きすぎる部下なので、自分が甘えて頼り切ってしまわないように気を付けなければならない。」ともおっしゃいました。
今日は、圧倒的にできる部下が高いモチベーションをキープして働き続けられる環境をどう整えたらよいか?について書いていきます。
私が組織開発に携わるこの会社の社員さんとは、月1回1on1ミーティング実施時間を設けています。
ある日の1on1で、できる部下の方に質問してみました。
Q.今現在、上司から「頼られていると感じること」と「任せてもらっていると感じること」の割合を示すとしたら、●対●でしょうか?
この質問は、上司が頼りすぎているかどうかを察知するときにとても効果的な質問です。
頼られる割合9:任される割合1
のようなバランスになっていたら、かなりの危険信号だと覚えておいてください。
幸い、私が質問した方は、任せてもらっていることの割合が多く、頼られっぱなしにはなっていませんでした。
(ちょっと安心しました。)
とても優秀な部下ほど、この割合の感覚を「すべて私に対して期待してくれている」と思い込んで全部引き受けてこなしてしまうことが多いのですが、これをやり続けると、突然エネルギー切れを起こし、突然やめるといったことが起こる可能性を秘めています。
できる部下の価値観の中の多くを占めているのは「向上心」です。
日常の仕事においても、新しい発見や、挑戦ができることにモチベーションが上がります。また、人生の目標を明確に持っていたり、自分がいまやるべきことが何か?を瞬間的に察知して動けるアンテナも兼ね備えています。
したがって、マネジメントを行う際は、新しいことを吸収できるものを1つずつ渡していくことで「任せる領域」を増やし、達成感や自身の成長への期待やステージが変わっていることを実感できるような環境を整えていく必要があります。
そういった環境がないと、「なんでも任せてもらっているのはうれしいが、全部自分がやってしまうことで回りの成長を止めてしまうことになるのは組織にとってのマイナスの影響にしかならない。みんなのために、辞めた方がよい。」と考えてしまう部下もいます。
できる部下は、周りに理想的なパフォーマンスを示してくれるため、周囲へのポジティブな影響力となることもありますが、基本的に他の人よりモチベーションが常に高いところにあるため、急降下した時の組織へのマイナスの影響力も大きいことを覚えておきましょう。