私がビジネスコーチとして企業に外部から刺激を送る仕事を始めて9年目となりましたが、この仕事を始めてから遭遇したことの無い、レアな経験をしました。
タイトルにもある通り、激詰めされるという経験です(汗)
自ら経験したことを踏まえ、激詰め上司がもたらす組織の悪循環について書いてみようと思います。
是非、リーダーの皆さんの日常の振り返りとして参考にしてください。
<激詰め傾向の上司の特徴>
※チェックリストとしてご活用ください。
□部下を見る視点が、できたことではなくできなかったことに100%意識が向いている
□部下からの報告に対し、課題が伝わってこないとイライラする
□理由がどうであれ、ルールや時間を守らない人がとにかく許せない。そういう人に合うと、怒鳴り散らす
□常に部下には成長が足りないとずっと思っている
□未だかつて、部下の成長を感じた良い点についてフィードバックをしたことがない
□自分の部下はできない人が多いと思う
□口癖は、「なんでできないの?」「何見てたの?」である
□一生自分の仕事は部下には務まらないと思う
―――
いかがでしたか?
ご自身が部下を見る点、日ごろのコミュニケーションに何か思い当たるところはありませんでしたか?
このような視点や言葉を毎日部下に対して浴びせているとどうなるか、、、私は外部講師として激詰め上司(研修担当者)に遭遇し、合計6日間ずっと何を言っても詰められ、ご納得されない、レポートに満足されない状況に耐えました。
そうするとどうなったかというと、急にかかったストレスで、喉がおかしくなってしまい、声が出なくなりそうになりました。
私自身は研修講師をしているため、声が出なくなるのは一番避けたい所ですが、自分自身が一番大切なものに不具合が起こったということです。その後、自分のやっていることに自信が持てなくなってきて、私の中で講師としてのパフォーマンスをどう発揮してよいか、迷いが生じてしまいました。
自分自身を肯定的にみるといったことができなくなるかという状況まで、自分がやっていることに自信が持てなくなっていきそうでした。そして、「ああ、これが世の中に存在する激詰め上司に耐える構造なのか・・・」と想像がつきました。
そのまま耐えるという事をやり続けた部下がどうなっていくかというと、
①メンタルをやられてしまい休職または離職する
②転職した場合においても、自分のできないことに目を向けるようになったり、「また怒られる!」と過去のトラウマから脱却できず本来持っているパフォーマンスが発揮できない
③常に自分に自信がなく、後ろ向きな思考が続く
④そのことによって転職を繰り返すようになる
―――
激詰め上司は、その会社での上司部下の関係性だけでなく、部下のその先の未来にまでも大きくマイナスの影響を及ぼします。
私自身は、今回の経験を踏まえ、心理学や心の回復についての知識があったが故に、立て直しの方法も知っている状況ですが、知識がなければこのまま部下の未来は相当なマイナスの影響が出てしまうことが容易に想像できます。
また、激詰め上司自身も、ここまで負の感情をずーっと抱き続けることで、体調面が心配です。怒りのエネルギーって相当大きくありませんか?無駄に疲れるって時間もエネルギーも勿体ないですよね。
<激詰め上司をやめる方法>
本来は、上司という立場になったら、自分を客観視し、セルフマネジメントする能力が必要です。自分自身の振る舞いがいつも正しいと、どこかで確信していることが実は一番問題なのです。
なぜ組織が成長しないのか、なぜ部下は仕事ができないのか、、、そう思ってしまう方は、部下から自分自身に対してフィードバックをもらってください。良い点と改善点の2方向で受け取ります。
これを怖くてできない上司は実は沢山いますが、部下が自分をどう見ているか、信頼関係がない中で怒鳴る、責め立てるのは、ただのパワハラと言われる時代です。
部下は上司を選べないため、発言の機会がなければ耐えるしかないわけです。部下からのフィードバックをもらうことは、聴く耳を持つことに繋がります。怒り狂う毎日を抜け出したいと思っているリーダーには、是非部下からの声に耳を傾けてみてほしいと思います。