近年、リモートワークが中心となり部下との雑談が激減することによって人間関係構築が難しいといったお悩みを抱える管理職が増えています。
研修もオンライン化されることが多く、何となく人との距離が遠くなりがちです。そんな中で、管理職の悩みや問題解決の糸口を見つけられる環境を整えるため、コーチングを受ける機会を設ける企業が増えて参りました。
私も企業コーチとしてビジネスコーチングを提供する仕事をしていますが、そもそもコーチングを全く受けたことがない管理職に対し、どのようにこの制度を導入していくとよいのでしょうか。というご相談を受けることがあります。
今日は初めて企業にコーチングを導入する際の留意点について書いてみようと思います。
そもそもコーチングとは何か?というと、
コーチとクライアント(管理職)の1対1の対話を通して、コーチは傾聴と質問を繰り返し、クライアントの想いや自身の考えをアウトプットしやすい場を創りながら、クライアント自身がなりたい姿、ありたい姿を明確に描き、そこに向かって行動を起こしていくプロセスを応援するコミュニケーションです。
コーチングセッションは1対1で行われ、コーチは守秘義務を守ることを約束します。したがってその場において話したことは企業コーチングであってもクライアントの許可なく外部に話すことはありません。
そのようなコーチングの定義を対象者に伝え、安心して何でも話してもらえるように、オリエンテーションを最初に行い、コーチングセッションの時間に、どんなことをするのか、イメージできるようにしていただくことが大切です。
コーチングを受ける管理職にとって、初対面のコーチに「なんでも話してよいですよ。」と言われても、戸惑うのは自然なことです。
なぜ管理職にコーチングを導入するのか、この目的も含めしっかりと共通認識を図ることから始めましょう。
コーチングは繰り返し受けることが大切と言われており、まずは半年間、1年間とある一定のタームでコーチングの契約を結ぶことになります。
企業にとってその仕組みを導入することが果たして効果的かどうか、成果がどう出たか?の指標を持つことはとても大切です。
当社の場合は、オンラインで受診できるアセスメントツールを用いて成果の見える化を行うことや、コーチングセッションと並行してクライアントにアクションプランシートを作成してもらい、実際にどのようなPDCAを回したか、どのような気づきがあったかを自身のまとめとしてシートを作成するような取組みをしています。
何より、「毎回気づいたらめちゃくちゃ話し続けてしまった!」とか、「話していくうちにどんどん思考がクリアになっていく」といった感覚を得られるセッションは、クライアントにとって効果的であったとみなしていただけるポイントで、気づきをさらに行動変容に変えることができれば、それはクライアントの人生そのものや価値観が大きく変化し、ありたい姿に近づいているという事でもあります。
コミュニケーションが心地よいかどうかは、セッションが終わった直後のクライアントの反応を見ればすぐにお分かりいただけますし、実際に自分の頭の中や心の中に眠っている感情を外に出してみることは、視界がクリアになっていくような感覚でとても心地が良いものです。
管理職は特に自分の部下に愚痴やネガティブ発言をしてはいけないとか、様々なプレッシャーがかかることが多いため、発散する場が欲しいというお声をよく聴きます。
管理職がイキイキと働くことで、部下は仕事が楽しくなったり、チャレンジ精神がみなぎってきたり、会社に対する帰属意識やチームとして成し遂げることの喜びを得られたり、特に管理職からは大きな影響を受けるため、管理職自身の人間力向上のため、コーチングは効果的といった声を多数伺います。
コーチ選びをする際は、是非企画側の皆様が体験セッションを受け、自社に合っている仕組かどうかも併せてご判断ください。